介護施設として有料老人ホームと特別養護老人ホームは代表的な施設であり、全国各地で介護を必要としている多くの人を収容してサービスを提供している。介護サービスをする現場で働きたいというときにどちらを選ぶかで悩む場合があるが、その性質の違いを理解して自分の仕事に対する考え方に合っている方を選ぶことが重要になる。
受け入れる利用者の要介護度の違いはこの二つで大きく異なる点である。特別養護老人ホームの入所者は要介護度が3以上であるのに対し、有料老人ホームの場合にはそれよりも低い要介護度の人も受け入れるのが一般的になっている。そのため、身体介助の負担の大きさを考えると特別養護老人ホームの方が大変になりやすい。一方、仕事のプロトコル化が進んでいるのが特別養護老人ホームの特徴であり、それが働きやすさにつながる可能性がある。特別養護老人ホームの場合には介護保険法に従ってサービスを行わなければならないため、それを担保するためのプロトコルを定めている施設が多くなっている。自分で柔軟に考えずとも卒なく仕事をこなせる点で特別養護老人ホームは楽に働けると考えることもできるが、逆に仕事の自由度が低いので自分なりの形で介護に携わりたい人には窮屈な印象を与えることになりやすい。これに加えて大きな違いが運営方針であり、有料老人ホームは営利目的で行っていてサービスの多様性が高いことが多い。そのため、仕事の幅は広くなりやすいことは念頭に置いておく必要がある。